Director's Voice

欧州の名立たるラグジュアリーブランドにも優れた感性と技術で素材や加工を提供しているのにも関わらず、日本国内ではほとんど知られていないメーカーがあります。

世界三大ウール産地として知られる尾州(愛知県一宮市)で染色整理工場を97年間営み、素材の魅力を引き立たせる加工技術を持つ株式会社ソトー。そして東京に工場を置き、「1本の糸から製品までを完結させる」を心情にものづくりを行う株式会社バーンズファクトリー。

このような真の技術力を持つ日本のメーカーと組んで、世界に向けたブランドを作りたい。日本の感性と技術を世界に! そんな思いのもと、今回もまた日本の優れた技術を持つ2つのメーカーと組んで、干場プロデュースの新しいブランドを立ち上げることにしました。

名前は「MOVB(モーヴ)」。イタリア語で“動き”を意味するMovimento、“洋服”を意味するVestito、“美しさ”を意味するBellezza。その3つのキーワードの頭文字を取ったウールジャージを駆使した新しいブランドです。

色使いは、僕が好きなネイビーやグレー、キャメル、ブラックといった男の基本色だけに絞りました。最大の特徴は、ミニマルでエレガントなデザインに隠された、革新的な縫製技術。裁断された生地を、まるで一枚の布地のようにフラットに縫製することで、動きやすさと驚くほどの着心地を生み出すことです。

流行や時代に左右されないミニマルで美しいジャケットやコートを実際に着ていただければ、その感動をおわかりいただけるはず。時代は、ファストファッションからスローファッションへ。正確かつ丁寧な作業で生み出される日本の巧と、グローバルスタンダードなデザインを合わせた「MOVB(モーヴ)」の洋服を通じて、少しでも皆様の人生を豊かにするお手伝いができれば幸いです。 

干場義雅/MOVBディレクター
PROFILE:(ほしば・よしまさ)1973年1月11日生まれ、東京都出身。
男性誌「LEON」(主婦と生活社)、「OCEANS」(現ライトハウスメディア)などを経て2010年に独立。
テレビやラジオ、トークショーなど多方面で活躍中。著書も多数。
15年からウェブマガジン「Forza Style(フォルツァスタイル)」
の編集長を務める。