スーツの歴史からひも解く「段返り3つボタンジャケット」の魅力

スーツの歴史からひも解く「段返り3つボタンジャケット」の魅力

2023年春夏の新作として初めて登場した、「段返り3つボタン」のテーラードジャケット

生地にはMOVBのアイコン的独自素材「Helix Wool Jersey」を採用しています。

強度のあるナイロン糸を軸に、ウール繊維を巻き付けた特殊な糸を、「36Gタイプライター」と呼ばれる超高密度な編み地に編み上げることで、

■防シワ性
■耐摩擦性
■ストレッチ性
■ウール特有の上品な光沢

などを備えた美しさと機能的な素材です。


■イタリアのスーツ生地のような“柔らかさ”と、イギリス生地のような目の詰まった“しっかり感”を合わせ持つ


さてこのHelix Wool Jerseyは、イギリスやイタリアで作られるスーツ生地の良いとこ取りしたような素材

たとえば、イギリスは一年を通して雨が多く湿度が高いため、生地の強度を保つために、しっかりと目が詰まった生地が主流。光沢や色遣いは控えめですが、耐久性やシワのなりづらさなどがブリティッシュファブリックの特長です。

一方イタリアンファブリックは、柔らかくドレープ感があり、光沢が強いものが多くあります。

MOVBの「Helix Wool Jersey」は、イギリス生地ほど硬くはないものの目が詰まった“しっかり感”がありながら、イタリアンの“光沢や柔らかさ”を合わせ持ちます。

さらに織物のスーツ地とは異なり、ジャージー素材(編み物)だからこその伸縮性も備わっています。

ナイロン芯にウール繊維を巻き付けることで耐久性も抜群で、シワにもなりづらいのも特長。

これまでにないまさに唯一無二の素材です。


■ブリティッシュスーツの代表的存在が「段返り3つボタン」

さて、このHelix Wool Jerseyでお作りした今回の「段返り3つボタンジャケット」ですが、スーツの歴史から見るとクラシカルな位置づけ。特にスーツの起源とされる「ブリティッシュスーツ」との関りが深くあります。

興味深いその歴史を少し掘り下げてご紹介しましょう。


■軍服から始めったスーツの歴史


スーツの起源はイギリス。

もともとは立襟式の軍服が進化したと言われています。(詰襟の学生服をイメージすると分かりやすいかもしれません。)※諸説あり。

最初の軍服はフロントボタンが10個以上ついているものもありましたが、銃器の発達や戦闘方法の進化によって、ボタンの位置や“数”も変化。(剣から銃に代わり、銃を担いでほふく前進するうえでボタンがフロントにたくさんあると邪魔になるなど)

やがて戦争が落ち着きを見せ始めると、兵士たちは窮屈な軍服の第1ボタンを外し、襟を外に折りはじめたことが、スーツの原型になったと言われています。


■2つボタンよりも前に生まれていた「段返り3つボタン」


3つボタン(ラペルが返らず第1ボタンが見える)や、段返り3つボタン、そして2つボタンなど、テーラードジャケットのボタンの数やデザインが複数あることをご存じの方も多いでしょう。

しかし、歴史的に3つボタンジャケットが実はクラシカルであるということを知っている方は多くありません。

上述の通り、多数のボタンを配置していた軍服を起源とするスーツですが、時代とともに徐々にボタンの数が省略されていったことが、3つボタンジャケットの誕生の背景と言われています。

その後3つボタンから段返り3つボタン、2つボタンへと変化。

つまり、段返り3つボタンジャケットのほうが2つボタンよりもクラシカルと言えます。

この歴史的背景に加え、スーツの着こなし方として、アクセントが上にくる(ボタン位置が高めでVゾーンが狭い)スーツが美しいと考えられているイギリスだからこそ、段返り3つボタンジャケットが代表的存在というわけです。


■切っても切り離せない「アイビースタイル」と「段返り3つボタンジャケット」


ちなみに、イギリスとは離れますが、段返り3つボタンジャケットで切っても切れない関係にあるのが1950年代のアメリカで生まれた「アイビースタイル」

なぜアイビースタイルでは、ラペルが返らない3つボタンジャケット(第1ボタンが見える)ではなく、第1ボタンが隠れるようにラペルが返る段返り3つボタンジャケットが主流になったのでしょうか。

それは、多くの移民で構成されたアメリカでは、自由な気質が強く、イギリスの伝統を守る保守的な考えに窮屈さを覚え、イギリス的な雰囲気は残しつつも自分たちらしさを出すために、第1ボタンを留めずラペルを折り曲げて着用した、という背景からきています。

その後1960年代にアメリカ・ブルックスブラザーズが2つボタンジャケットを発表し、2000年代には2つボタンが主流となっていくという流れです。


■歴史的にも奥深い「段返り3つボタンジャケット」を現代的な素材使いで。



さて長々と紹介してきましたが、クラシカルな「段返り3つボタン」の顔ともいえるラペルの返りを、現代的なジャージー素材で表現した今回のジャケットです。

ぎゅっと目が詰まった生地だからこそ、段返りのラペルがふっくらと返り、ジャケット全体に紳士的な風格を醸し出すことに一役買っていることはいうまでもありません。

伸縮性というジャージー素材の実用面だけでなく、3つボタンらしい重厚な雰囲気を持つ1着に仕上がっています。


■クラシカルとモダンを融合させたディティール使い


クラシカルな段返り3つボタンジャケットの象徴であるラペルには、こちらもオーセンティックなムードが漂う手縫い風ステッチを走らせました。

一方で、ラペル幅は太すぎず細すぎない現代的なパターンを採用し、抜け感のあるパッチポケットを選択するなど、クラシカルな雰囲気の中にモダンなエッセンスを取り入れたジャケットに仕上げているのもこのジャケットの特長。

加えて、MOVBの特長である「想像を超える快適性」を実現する裏地機構「MOVING仕様」によって、これまでにない快適な着心地を実現するなど、テーラードジャケットの伝統を大切にしながらも、現代の技術を存分に取り入れています。

羽織るだけで背筋が伸びる。そんなジャケットをぜひ手に取ってみてくださいね。

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